解剖学が苦手なトレーナーを目指す学生たちへ

「しいて言うならどの科目が一番重要ですか?」

トレーナーを目指す多くの学生たちの疑問だし、ぼくも多くの学生に聞かれてきました。

ぼくも学生時代に思ってたし…

ほとんどのトレーナーが「機能解剖学」と答えます。

それに対して学生や若手トレーナーが一番苦手に感じている科目も「機能解剖学」

なぜ苦手なのか?

単純に面白くないから…

いきなり難しい筋肉や骨を覚えさせられ、さらに細かい筋肉の付着部位まで覚えさせられる。

さらにその機能、あわよくば神経支配まで覚えさせられる。

<上腕二頭筋>
起始:肩甲骨関節上結節(長頭)、烏口突起(短頭)
停止:橈骨粗面、前腕筋膜
作用:肘関節屈曲と前腕の回内、肩甲上腕関節屈曲(長頭)
神経支配:筋皮神経

はい、思考停止です笑

ほぼ漢字やし。

ひたすら紙に書いて名称だけ覚えても、現場で全く使えません。

何か資格をとったり、ペーパーテストの点数を取るためには必要かもしれませんが…

今回は解剖学を理解する上で大事なポイントを紹介していきます!

機能解剖学とは

まず「解剖学で何を勉強するのか」「なんのために勉強するか」を理解せずに勉強を始めると嫌になります。

ひたすら筋肉名と骨の名前を覚えるのが解剖学と思っている学生が多くて焦ります(^^;;

解剖学で何を勉強するのか

すごくシンプルに言うと

「人体にある骨や筋の種類や働きを知り、関節の動き=人の動き」を学びます。

これ以上でもこれ以下でもないです。

もちろん付随して靭帯や神経、内臓についても知る必要がありますが、それは二の次です。

なのために解剖学を勉強するのか

トレーナーの仕事は「人の動きを分析し、間違った動きを修正し、さらに良い状態に体を作り変える」ことです。

これは機能改善だろうがダイエットだろうがパフォーマンスアップだろうが本質は同じです。

その人の動作を見て「なんか動きおかしいよな…でも理由がわからない…」ではトレーナー失格です。

人の体を観察した時に「どの関節の動きが、どのようにおかしくて、それがどの筋肉の影響を受けているのかを理解する」ために解剖学を学びます。

筋肉の特徴を知る

機能解剖学を理解するにあたって、重要なポイントを3つだけ紹介します。

①起始と停止の場所を知ること(名称で覚えない)

まずはその筋肉の起始と停止を知ること。

ただし部位の名称なんて覚えなくて大丈夫です。(おいおい覚えますから)

名称よりも骨のどの辺についているのかを知っておくこと。

大腿直筋→骨盤の前側からすねの前側
大胸筋→肋骨から腕の前側
大殿筋→骨盤の裏側から太ももの裏側

くらいの理解で十分です。(まずは…ですよ)

筋肉が骨に付着している部位で、より体の中枢に近い方を起始、末梢に近い方を停止と呼びます。

筋肉が収縮すると起始と停止が近づきます。

起始と停止が近づく運動に負荷をかけることをトレーニング、逆に起始と停止を遠ざける運動をストレッチといます。

ということは、起始と停止を知っていればトレーニングもストレッチも自分で考案できるということです。

トレーニングやストレッチ方法を「型」でしか知らなければ、その「型」ができないお客様へ運動を処方することはできません。

例えば大胸筋のトレーニング…

ベンチプレスや腕立て伏せを思い出す人が多いと思いますが、そのお客様が仰向け、うつ伏せの姿勢が取れなかったらどうします?

起始停止がわかれば、どんな姿勢でも大胸筋を鍛えることができることがわかります!

②筋肉の走行を3Dでイメージする

①と同じような内容ですが、起始と停止の場所がわかったら、その2点を結びます。

それが筋肉の走行になります。

ポイントは3Dでイメージすることです。

単純に体の前側に起始停止がある、後面に起始停止がある、であればイメージしやすいですが、そんな単純な筋肉ばっかりではないですから(^^;;

後面に起始があって、捻れながら前面に停止がある面倒臭い筋肉もありますから(笑)

本だと3Dのイメージは難しいですから、このアプリがオススメです。


ヒューマン・アナトミー・アトラス

3000円なので専門書に比べれば超お得です。
(セールで100円になることもあるとかないとか…)

③骨がどう動くかをイメージする

①と②がわかったら、その筋肉の走行に合わせて骨を動かすだけ。

例えば…

起始が頚椎の辺り、停止が肩甲骨の外側にある筋肉。

外側ということがポイントです。

起始と停止を結んで、その2点を近づけると肩甲骨は上方向に回転しながら移動します。

これ、僧帽筋上部線維が収縮した場合の肩甲骨の動き(上方回旋)を示していますよね?

文章だとちょっとわかりづらいので下の図を見比べてください。

僧帽筋(上部線維)と肩甲挙筋を模式的に描いています。

どちらの筋肉も頚椎周辺(あくまでも周辺)から肩甲骨の、僧帽筋上部線維は外側あたり、肩甲挙筋は内側に付着しています。

同じような筋肉の走行ですが、外側についているか内側についているかで動きが全く異なります。

 

これを僧帽筋上部線維は「後頭骨上項線、項靭帯から始まり、鎖骨外側1/3に付着、さらに作用は肩甲骨の上方回旋」とぶつ切りで覚えると全く頭に入ってこないです…

まとめ

・大前提で「機能解剖学で何を学ぶのか」「なぜ学ぶのか」を理解する。

・起始と停止の場所を覚える。(名称は後回し)

・起始と停止を結び、筋肉の走行を3Dでイメージする。

・筋肉の走行に従って骨と骨を近づける=その筋肉が収縮した際の関節の動き

詳しく解剖学は学びたい方はこちらの記事も参考にしてみてください。
パーソナルトレーナーにオススメする本10選

 

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井上穣

福岡市で活動するフリーランスのパーソナルトレーナー。 月間100名(延べ1万人以上)をパーソナルトレーニング指導。 機能改善(腰痛やひざ痛・肩こりの改善)や姿勢改善、スポーツのパフォーマンスアップが専門。 顧客にはJリーガーや競輪選手、競艇選手などプロアスリートも多い。

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